夏目玲子の回帰~虚空の参道~公開記念インタビュー記事
劃= 刹羅木 劃人
―この度は数年ぶりのシナリオ投稿、夏目玲子の回帰~虚空の参道~の完成、おめでとうございます。
劃)ありがとうございます。偏に、続編を読みたいとおっしゃってくださった読者の皆さんのおかげです。前作の『憐憫』のあとがきにあるとおり、反響がなければ書くつもりはなかったので。
―まずは作品の中ではなく、執筆の様子などからお伺いしていければと思います。前作から年数が空いていますが、ご自身で大きい反響を感じられたタイミングはいつでしょうか?
劃)大きい反響は特に感じてないんですが(笑)数年たっても細々と遊んでもらっていて、新たに触れた人も「これシリーズじゃないんですか?続きとかないの?」とおっしゃってくださる方が居られたり、というのが続いていたというのが実際です。二年もすれば忘れ去られるだろうと思っていたんですが、舞台上演やボイスドラマ化のオファーがあり、一部で残り火が燻っているような感じでした。
―そういった反響をうけて、続編を書くのを決心したと。
劃)そうですね。続編の構想自体は前作を書いた段階でありました。2024年の年始に、書くぞと決めて、そこからいろいろ忙しくしているうちに動けない状況が続き、執筆に本腰を入れ始めたのは12月19日ですね。今ブルスカの投稿みて思い出しました(笑)
ーということは、今回の『回帰』の執筆期間はだいたい一か月程度でしょうか?
劃)これまたTwitterを見て思い出してますが、1月13日には仕上がってチェック段階にはいってますので、単純計算だとそれくらいですね。厳密には構想自体はずっと前にあったものですから、その辺を加味して実際は一か月強になると思います。前作の『憐憫』が3週間くらいだったので、それよりは時間かかってますが、まあブランクもありますし、今回は並行していろいろやってたので。
ー並行してやっていた、というのは、前半の先行公開や、Twitterでハッシュタグ#虚空の参道 で展開していた、情報公開のことですね
劃)はい。今回は『憐憫』のように、謎解きが後日談がとして分かれていないので、作品として読んでしまうと謎解きをやる暇がなくなってしまいます。ミステリーっぽい謎解きを楽しんでもらえるように、いわゆる探偵の解明パートに入る前までのものをクリスマスに先行公開しました。また、ハッシュタグ企画で作中世界に入り込める情報を展開しました。まず、舞台になる喫茶店のコンセプトアートをAIで生成したうえで、店内の間取りがわかるよう簡単な俯瞰図を手作りしました。それと、作中事件発生当時の新聞記事、キャラクター相互の二人称をまとめた表など、世界観を作るサブ要素を、作品の外側で読者の皆さんに楽しんでもらえるようにということでやってみました。
ー反響はいかがでしたか?
劃)個人的にはいろいろ頑張ったんですが、イマイチでした(笑)先行公開版読んだ?ってアンケートツイートしてみたんですが、半分以上読んでなかったんです。公開後に読むつもりだから、と。
ー謎解き好きな人は意外と少ないんでしょうか
劃)これは皆さんに嫌われるかもですが・・・結局皆頭使うことは嫌なんですよ(笑)なんかそれっぽい雰囲気を楽しみたいだけで、ほんとに真剣に謎解きしたいわけじゃないんだなと。あと間違ってると恥ずかしいとか、どうせわかんないから、みたいな。まああとは、そもそも私に実績がないので、興味を持たれなかったというところも大きいと思います。前作『憐憫』の時も、同じように謎解きを楽しんでもらおうとハッシュタグ企画をしましたが、半ば強制で巻き込んでしまった人と、心優しい友人が一人、参加してくれたのみでした。その友人は今回も爪痕を残そうと引用RTしてくれてましたね。
ー執筆に並行してこうしたイラスト生成や見取り図の作成などをおひとりでされるのは、作業量的にも単純に多くなっていたかと思いますが、もし今後があるとすれば同じように作品外での楽しみというのはご準備されますか?
劃)もう今後はやらないかもしれません。みんなに楽しんでもらおうという私の気持ちが空回りしているところなんだなということが、実際に読者の皆さんによって証明されましたので。もっと違う形で、ちゃんと盛り上がる方法が見つかればいいかな、と思います。RTなどしていただいた皆さんには、本当に感謝しております。
ー『回帰』が投稿されて2週間ですが、反響などはいかがですか?
劃)投稿の告知ツイートは67RT、120いいねで、フォロワーの皆さんのおかげで想像以上の広がりになりました。ありがとうございます。実際に読んでくださった方がどれほどいらっしゃるかわかりませんが、今のところ上演は3回確認しております。投稿後すぐに動いてくださっていた方々のおかげで、投稿から間もなく2回の上演があり、先日ボイストランドさんで1回上演されたようです。ようです、というのは、アーカイブがバグって半分以上聞けなくなっているのですが、上演してもらったのは間違いないようです、という意味です。最初の2回に関しては、以前からのお知合いの皆さんがほとんどでしたが、楽しんで上演していただいた様子でほっとしました。
ー『回帰』の発表を受けて、『憐憫』を手に取っている方もいらっしゃるようですね
劃)『憐憫』を出したころから間も空いてますし、続きもののシナリオなので、そういう方も少しお見受けすることもあるかもな、とは思っていました。そもそも『憐憫』(3人台本60分)の時点で「難しい」という演者さんの声をさんざん聞いてきたので、今回の『回帰』(5人90分)は内容的にもっと難しいですし、人を集めようにもまず前作から入って~みたいなことも考えられると。こちらとしても、前作を読んでるとより面白くなる作品ですので、うれしい限りです。
ー久しぶりのシナリオ執筆ということですが、以前とスタンスが変わったところはありますか?
劃)以前、というと、執筆していた時期はボイコネという声劇アプリがあったころになります。そのころからは、声劇界隈?と呼んでいいのかわかりませんが、その様子が変わっているので、私のスタンスも自然と変わりました。そもそも、そういった台本やアーカイブの集中するサービス、アプリがなくなったので、そのシステムに拠っていたスタンスはまずなくなりました。ただ、それ以外で変わったものはあまりなくて、大きく変わったのは、宣伝を極力しないというところくらいです。今回はハッシュタグ企画や先行公開をはじめ、なるべく皆さんの手に届くように宣伝をしました。
ーその部分が大きく変わった理由とは?
劃)二つあります。大きいものと小さいものが。小さいものは、単純に自分の本を好きだと言ってくれる人たちに怒られたんです(笑)もっと宣伝しろと。今回の本のように、5人で長尺ともなれば、やろう!となるまでのハードルが高くなることは目に見えていました。その時に、せっかくやりたい!と思ってくれた数少ない知人の皆さんが、少しでも人集めをしやすくなるように、宣伝を頑張ろうと思いました。声かけたときに「夏目玲子?なにそれ?」となるよりは「あーなんかTwitterで話題になっていたあれ?」のほうが、自分の本を遊びたい人たちが遊びやすくなるかな、と。大きい理由は、続編を望んでくれた人にもれなく届いてほしいからです。『憐憫』を気に入って、続編あるなら読みたい、と思ってくれた人が、私が知らないだけで居るのかもしれない。その人に、この続編が届けばいいと思いつつ、私は影響力もあまりない知名度低めのライターなので、『投稿しました!』ってある日突然ツイートしても3RT5いいねで終わりです。そうならないように、盛り上がるよう企画を差し込んで、気運を盛り上げて、たんぽぽの綿毛がなるべく遠くへ飛んでいくように、上手く風に乗ってくれればいいな、という。この二つの理由から、宣伝を極力しないというスタンスだけは、意図的に変えました。
ーそのかいあって、先ほどのRTやいいねにつながったということですね。今後の盛り上がりにもつながると思いますか?
劃)シナリオとしては面白いものを書き上げたつもりでいるので、『憐憫』の時と同じようにじわじわ広がれば良いなと思ってます。ただ、『憐憫』が一番遊ばれたのって、ボイコネのサービス変更時なんですよね。「もう遊べなくなるかも!」ってなって初めて火がついた。夏休みの宿題みたいに(笑)今はそういう追い風になるような状況というのは起こりえないので、遊びたい人が遊んで、地道に広まっていくか、ものすごい完成度での企画上演などが大々的に行われて注目を集める、とかがあれば、そういう追い風になり得るのかな~と。
ただ、以前からのスタンスのうち変わらないもののひとつとして、特段誰かに上演をこちらから依頼するようなことはないので、そう思って行動に移してくれる誰かが居れば、の話になりますね。
ーその『憐憫』もそうですが、手に取るにあたりハードルが高い作品に、今作の『回帰』もなっていると思いますか?
劃)思います。『憐憫』に比べて、人数も所要時間も内容も、多く、長く、難しくなっているので、当然そうだろうという分析です。テーマも重く、ワンセンテンスも長めですから。ただ、そこはシナリオの魅力や世界観を優先しました。そこでキャストの皆さんが手に取りやすいように易しくすることは簡単ですが、ハードルを下げれば見える景色も低くなる。私は高いハードルとともに、あとがきなども含めたジャンプ台も用意したつもりなので、是非台本についてきてほしい、というめちゃ偉そうな感覚でいます(笑)一緒に高みの景色が見られるといいですね、と思いながら投稿しました。ただ、闇雲にハードルを高くしているわけではなくて、いろんな調整は作中各所でしています。
ーちょうどいいので、この辺から作中のこともお伺いできればと思います。その調整というのは、『回帰』の作中におけるどういった点でしょうか?
劃)あとがきなどでも述べた通りですが、声劇とミステリーって相性そんなによくないのかな、と思ってます。緻密で濃密な情報や、入り組んだ謎はミステリーの醍醐味ですが、声劇は声だけが情報源なので、映画やドラマのようにビジュアル面での強烈かつコンパクトな説明手法がとれないし、小説のように可逆性(自分で前のページをめくりなおして情報を確認しなおすことができる、自分のペースでゆっくり読むことなどを意味しています)がないからです。
ミステリーらしくディティールを上げようとすると、情報過多で聞き手にはうまく伝わらないし、ごちゃごちゃする。情報を減らすと、ミステリーらしい重みがなくなる。そのバランスってすごく難しくて、今回の『回帰』でもうまくできているのかはわかりません。ただ、自分なりに気を付けて、さっきの言葉で言えば『調整』した部分はあります。まず、不要だと判断した情報はカットする、あるいはあえて情報のディティールを落とすこと。そして、セリフの雰囲気で持っていけるところはその流れに任せて、読者の想像で補完させること。大きくはこの二つです。『回帰』の作中例でいえば、犯行の詳細について、現場がどんな様子だとかは言いますが、死亡推定時刻とか犯行予想時刻とか、細かいこと言ってないんですよね。
ーあぁ、言われてみれば「死亡推定時刻」とか、ミステリーではおなじみすぎるワードですが、出てこなかったですね
劃)「死亡推定時刻は18時35分~19時55分の間で」ってキャラが言ったほうが、断然ミステリーっぽくなるんですよ。なんか細かい数字があるほうがディティールがあってシナリオの説得力が増す気がしてくる。でもそうなると、具体的な数字が出てきて、聞き手の脳の容量を圧迫してしまうんですよね。なので、今回は日付までにして、「夕方」とか「夜勤から帰ってきて」みたいな、シチュエーションを想像するのに十分なところまででディティールを抑えてる。しかも、数字が細かく出てこないこと自体が「倫太郎がネットの記事を見ている」という状況にもあってて、それはそれでリアリティがある。日付までは出したのは、犯人推理のためのフックですね。事件について、だいたい一週間か、という玲子のセリフと、ここ一週間くらい急に毎日顔を出すようになった過生の状況に引っ掛けられるようにしたかったので。具体的な数字を出さない、という意味では、美波の妊娠期間に触れないこともそうです。あとがきにある年表を見ればわかりますが、だいたい8か月の想定です。これを言ってしまったほうが「8か月か~じゃあお腹の大きさはこれくらいか」というのがわかりやすいかもしれませんが、若い人や妊婦を間近に見た経験がない人にとっては逆にノイズになるかもしれない。だったら、お腹が大きくなってることだけ伝わればいいから、そういうセリフ回しでキャラクターを動かそう、ということで、階段を下りる補助に明美と倫太郎を使ったり、着席後の過生のセリフをそういうものに留めたりしました。ふつうは「何か月ですか?」とか聞くほうが、いかにも初対面の妊婦との会話、なんですけどね。
ーなるほど。無暗に難しくしているだけではなくて、声劇台本として使うことを想定した調整はしている、というのがよくわかりました。ディティールを落とす以外の、流れに任せて補完させる、というのはどの部分でしょうか
劃)主に謎解きパートになりますが、本来であればもっと詰めるべき推理、その発想に至る根拠をもっと必要とする会話というものを、謎を解いているテンポ感のなかでごまかしています。
ーごまかしているんですか?(笑)
劃)はい。ただ、そこで真面目に全部拾っていくとキリがなかったりするので、会話の流れとテンポ感で乗り切って、細かい欠落は読者の想像と補完、あるいは『気にしない』という意思に便乗していることになります。もちろん、私なりの細かい説明もできなくはないんですが、それこそ不要なのでカット、という判断をしているところも多々あります。あと、そこは逆に説明しすぎると、人の受け取り方によっては補強になるけど、逆にノイズになることもある。さっきの妊娠何か月の話に近いですけど、だったらしれっと流して、あえて空白にしておくことで、読み手の皆さんに都合のいい埋め方をしてもらうのが一番いい、という判断ですね。ここもバランスで、その空白自体が大きいと「なんでこんな重要なポイントが説明されてないんだ。描写不足だ」ともなりかねない。具体的に示すと、たとえば、1件目の犯行、たまたま新婚夫婦の夫が夜勤に出るところの熱々夫婦ぶりを見て~というシチュエーション、それどこなの?とか。
ーあぁ、言われてみれば。二件目は喫茶店近く、つまりは美波の自宅とも近所だと明言されてますが、一件目の偶発的な犯行について、どういう経緯でその偶然が訪れたか、については説明されてないですね。遠い場所だと、そんな時間に妊婦である美波がそこにいること自体が少し不思議です。
劃)私なりのつじつま合わせとシチュエーションはあるんですが、ここはそんなに重要でもないし、セリフの流れの中で溶け込ませて、読み手の想像に任せてもシナリオへの影響や破綻はないかな、ということでそうしてます。
ーミステリーらしさを損なわない程度に情報量を落とす、ぼかす、空白を読者にゆだねる、そういった調整を行うことで、声劇台本として成立するようにしている、ということですね。
劃)そういうことです。あとは説明臭い説明セリフをなくすよう心掛ける、みたいなこともしてますが、その辺は読んだ皆さんがどう感じるか、ですね。
ーテクニック的なことが伺えたので、続いてシナリオ性やテーマの部分を伺いたいのですが、今回はどのような部分に注目してほしいですか?
劃)その辺のことはあとがきにも書きましたが、今回のシナリオはいろいろ対比してモチーフを置いてます。『夢や幻想』に対して『現実や苦しい思い出』、『都合のいいあたたかいもの』と『逃げられないつめたいもの』、『生きることは辛くて』、『生まれる前の子宮の中はなんの不安もない』、『なんの力もないちっぽけな自分』と『何でもできる神様』。そしてメインは、『回帰』と『自立』です。
ー『回帰』はタイトルにもなっているところです。具体的には?
劃)長くなります(笑)今回の犯行動機にもなってますが、人が無条件に縋れるものの一つは、子宮にいたときの安心感だと思うんです。まだ現実のことなんて知らずに、ただ生まれてくる命として羊水に満たされた子宮の中にいるだけの、無垢な状態。仮に母親が望んだ出産じゃなかったとしても、そんなの胎児でいる間は知らないから、ただ生き物として根源的な安心に包まれてそこにいるだけの状態。不安、という感情を一切知らない状態、と言いましょうか。出産後に臍帯を切ってしまえば、その瞬間から一人で呼吸したりしなきゃいけないわけですから、途端に生命としての危機が始まる。本当の意味で何の不安もないのって、子宮の中にいる間だけなのかなと。もちろん生理的なストレスは生じることもあるとは思いますけどそこは一旦わきに置いて。生まれた瞬間から不安が生じるというのは、玲子の法解釈のセリフの部分でも描いてます。
これは大人になって形を変えていきますが、続いていく関係性です。例えば家の外と中。家では家族と一緒で安心できるけど、会社に行けば上司にパワハラされたり、とか。他には、すごく仲のいい友達といるときは安心できるけど、知らない人と話すだけでストレスが凄い、とか。
今回はこれを、半地下の喫茶店という物理的な子宮のモチーフを活用して、都合がよくて居心地のいい空間と、辛く厳しい現実や社会、というものを描いたつもりです。人間誰でも、生きていれば辛いことがあって、心が弱ることがあって、そんな時、『回帰』できる物や関係、場所、思い出が必要になる。でも、現実を生きていくってことは、とりもなおさずその辛さに向き合って歩いていくことだから、いつまでも『回帰』したまま、子宮の中にいるままではいけない。『自立』して、足掻いて、抗っていくことが、嫌でも求められる。生んでくれって頼んで生まれてきた人なんて一人もいないのに、厳しい現実で生きていくことを強要される。
だったら、『回帰』した時に得た思い出や、自分に都合のいい関係性のなかから、立ち上がるだけのエネルギーを貰うのって大事なことだと思うんです。臍帯と違って、一度切ったら終わるわけじゃない。仕事に行き、家に帰る。平日頑張って、週末友達と遊ぶ。そういう、『回帰』と『自立』のサイクルは、大きいものも小さいものも、当たり前に私たちの日常の中にある。
それが崩れて、過ちを犯しても、次の『自立』を応援してくれる善意の他人の勝手な想いがあれば、その人の現実は少し良いほうへバランスを取り戻すこともできるかもしれない。
『回帰』の物語のテーマは、母や子宮という存在の与える安心や、その偉大さとともに、それらとの『訣別』こそが生きるために必要であり、その訣別を成長や前進と呼ぶこともできる、そういうものです。
事前にTwitterやあとがきで示した『全てのお母さんへの応援』『全ての辛い現実を歩む人への応援』『全ての子どもたちに、懐かしむことのできる幸せな時がありますように』というのはこの辺のことから述べた部分ですね。
特に三つ目の部分は、親バカな両親に育てられた倫太郎が居る、というところで表現してます。ただ悲惨な過去を持つキャラクターたちがずらっといるだけじゃなくて、そこで少し申し訳なさそうに、親にちゃんと愛されて平凡に育ってきた倫太郎がそのことをちゃんと伝えて、現実に疲れて擦り減って過ちを犯した美波とそのお腹の子を応援する。ミステリー要素も楽しんでほしい部分ではありますが、そこに至る美波の動機と衝動、そして倫太郎に贈られた言葉で『子宮』である喫茶店を後にする=自立・訣別して前に進むというドラマが、このシナリオのテーマ的なポイントです。
ーありがとうございます。最後に、読者の皆さんにメッセージはありますか?
劃)本当にごく一部、少数の人が続きをそれなりに強く望んでくれたから、この物語は形になりました。モチベのガソリンでした。ありがとうございます。
ここから更なる続きは、前作同様反響次第です。つまり作品を読んだり上演したりしてる皆さん次第ということです。さっき書いた少数の人ってのはほんと数人で、上演後に「夏目玲子おもしれ~」ってツイートしたり、進捗上げたときに「楽しみにしてます」ってリプくれたり、劇のリスに行ったらアフタートークとかで話題に出してくれて「続き楽しみにしてるで!」って言ってくれたり、告知を引用RTして「新作きた!」とか言ってくれた数人のことです。それがもう少し増えて5人が7人になり、10人になり~って増えていくことを私は「反響がある」と呼んでます。
ボイコネがあったころと違って、シナリオにお気に入り登録数はないし、アーカイブが何個あるとかもわからないですから。それと、裏劇で100万回使ったって私は知りようがないから(規約にある通り、知らせなくて大丈夫ですよ!あくまで反響を測る方法の話をしてます)、楽しんでくれてありがとね~とは思うけどそれだけです。作中倫太郎が言う「他人がどんなに想っても、勝手に想っているだけの想いなんて、無いのと同じです」の言ってることとほぼ同義ですね。
そもそも反響がもらえるほど面白くないだけだろ!ということも十分あり得ます。その場合は続きも無しということになるだけですので、また違うもの書くか、執筆自体しなくなると思います。実際この数年してなかったですし。
よって、作者側でできることはやり切ってる感、ありますので、あとは皆さん次第ということです!この物語を愛し、何か影響を受けたり、純粋に声劇上演で楽しいお時間を過ごしていただければ幸いです!
またどこかでお会いできるといいですね!
ー了
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