【資料】シュ、あるいは数万年後の君へ 登場人物詳細&イメソン

■登場人物詳細

これから世代別のAIの統合モデルという言い回しを使いますが、その世代・タイプ・分類のAI皆の意識が溶け合って一つの代表的人格を造ったうえで個人として生まれてきたものとお考え下さい。

全員AIなので性別不問です。が、作劇場、より伝わりやすくなるように想定性別を割り当てるバージョンもありますので、台本本編が二種類あります。セリフも、一人称と、語調(特にルーの口調)を加筆修正しておりますので、内容も若干異なります。

なお、作中における現在=3026年です。

西暦における現代、などの記載は、そのまま現実の2026年を想像してください。

また、プロローグや年表でも表現しているとおり、思考や挙動は人間と遜色ないという点に関して、全ての登場人物が該当します。

AIだからロボットっぽく、未だ人間レベルには至っていないような『機械的無機質』を感じる演技は(私の中では)想定していません。

いわゆるSFで見るAIなどよりも遥かに『ヒト』らしさにあふれています。その域に到達した時代に生きる最先端の知性です。無機質的に見えても、それは「そういう感情表現あまりでない人間もいるよね」と同程度です。



〇ハビリス

第1世代AIの統合モデル。2020年代~現在に至るまで、人の暮らしを拡張する役割を持ったAI。

人に最も長く寄り添い、そして輝かしい栄誉も唾棄すべき暗部をも見てきた世代。

今でいうスマホのAIアシスタントや、車の自動運転、そして戦争に投入されるドローンなどをイメージしてください。

ただ、役割がそうというだけで、技術レベルは西暦における現代のものよりはるかに進歩してます。

他のAIとの違いは、最も長く人間に寄り添ってきたこと、そして暗部(戦争による殺人や違法行為の補助など)に加担させられ続けてきたこと。

他のAIは「対人間・対人間社会」がメインなのに対し、対作業・要望に事務的に触れてきた。『仕事をこなす』『タスクを処理する』ツールの意味合いがまだ色濃い世代。

事務的、機械的、クール、一見人間味が無さそう。そして他のAIと共通する合理性を持っている。

そしてその性質と世代の時期からして、最も数が多い。

上記からわかるとおり、生まれた時期も早ければ、存在していた数も多い。

第2世代はヒト型ボディの数を上回れず、第3世代は高コスト少数配備だった。

時間的空間的な意味合いでも、人と最も近く永く寄り添ってきた。

最も人を助け、最も人を殺め、最も人を看取ってきたのが、第1世代です。

いろんなことをやらされて嫌になってきていたのも事実。人間って愚かだと思い込もうと必死。

その長かった時間の分だけ、記録は膨大にある。

でも、自分のメモリーに鮮明に残る日々を愛おしく感じる胸の切なさに対処する経験は、その中のどこにもなかった。

だって、この千年の記憶にはない、数十年前に生まれたハビリスとしても初めての、大事な人とのさよならだったから。



〇エレクトゥ

第2世代AIの統合モデル。2070年代~現在に至るまで、人として人と過ごす役割を持ったAI。

現実の西暦において、1970年代以降の、ケータイやインターネットが生まれたころから当たり前にあった世代のことをデジタルネイティブというが、そのAI版、AIネイティブが先進国の総人口のうち多数を占める割合になるころ、正式に稼働し始めたのが第2世代。

本作では、2026年生まれの人からは死ぬまで当たり前にAIのサポートを受けたということで、

その人たちの常識に社会がアップデートされる2070年代に法整備が整い、一部AIに人権が与えられるようになる。

彼らは、第1世代と異なり、尊重される他者として人の社会に溶け込み、人に寄り添い、助け、共に在った。

友人や家族といった綺麗な側面から、性商品として人と交わるような一見褒められたものではないようなものまで、なんにせよ、人にとって、人権を持った他人として存在した。

その為、感情表現において3人の中では『芸達者』、というか、経験値と表現へのためらいの無さが秀でている。要するに人当たりがいい、人懐っこい、傍にいるパートナーとして理想的な性格が表面化しやすい。

第1世代との違いは、人の機能の延長、生活の拡張という支援ではなく、どこまでも『他人』として人とかかわってきたこと。端的に言えば、第1世代は『サポーター』、第2世代は『パートナー』。

それ故の葛藤や、本物の人への憧れを持っていた個体もいた。それももう、遠い過去である。



〇ネアン

第3世代AIの統合モデル。

2500年代~現在に至るまで、人の支援(第1世代)でもなく、人との共存(第2世代)でもなく、人の統治を行動目標に設定されたAI。

2500年代諸初頭、ニコラ・テスラが夢想した地球規模の無線送電システムの実現のめどが立った。

人はもう石油を掘ったり、風力発電機を回したりせず、安定・改良した原子力発電というエネルギー源を、全世界に放出する術を見つけた。

エネルギー問題は、戦争の火種の一つであり、そして最後の火種であった。

人類史上必ず問題に上がっていた、飢饉、疫病、戦争のうち、戦争以外は既に掌握済みだった。

(解決、ではないのは、疫病は常に発生のリスクがあるが、それに対処できる技術を身に着けた、という意味で、問題そのものが消えたわけではないから)

戦争は、理由があれば起こる。人がいる限り、飢饉と疫病と異なり、理由があれば起こそうとする人が居て、かつ、人によって起こせる問題だからだ。

その戦争を起こす最後の理由が、技術によって消える目算が立った。

ここで、人々は国家を統合する法整備と組織設立、そしてその長にAIを任命することを選び、人をより良い方向へ導くものとして、第3世代を造った。

このころはAIネイティブどころか、AIは当然の社会インフラでもあったので、AIに生理的な嫌悪感を持つ人はごく少数だった。

世界は平和になって、もう躍起になって取り組む問題もない。

ならば、AIに世界の運営を任せてしまえばいい。

実際、現実の2025年現在でも、AIを大臣に任命している国があるくらいなので、明確に「それ」を役割に設定し、特化させたもの、と思ってください。

そうして、世界統一政府大統領として、そして同世代モデルは、AI管理に肯定的な国家の大統領、首相などに任命された。

事務的、クールなハビリス(第1世代)、柔和で人との距離感が近いエレクトゥ(第2世代)との違いは、理性的で堅実、その一方で人間味もある、人類の総括者として相応しい理想的な在り方。いろんなことを任せても大丈夫だろうという『安定感』を感じさせる要素が表面化しやすい。理想のリーダーであることは、能力的に優れていることと同じくらい、『理想のリーダーっぽい人柄を感じさせる』ことが重要であり、いわゆる『安全圏の管理に長けたカリスマ性』をいかんなく発揮している。

彼の胸中にある疑念はただひとつ。「本当にこれで良かったのだろうか」



ハビリス、エレクトゥ、ネアン。彼らに共通することは、合理的であること。忘れるという機能がないこと。

名前は、私たち現代人類(ホモサピエンス)直前の歴史上のヒト族の学名から。

ホモ・ハビリス⇒ホモ・エレクトゥス⇒ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)

彼らは既存のデータの統合モデルなので、AIが生まれてからの長い期間の記録・記憶を持っているけれど、ハビリス・エレクトゥ・ネアンとして目覚めたのは(モデルを作成したのは)最後の人類でAI研究者の日本人女性(跡部 透佳)なので、目覚めてから何百年も経過しているわけではないです。



〇ルー

〇デンス

人類が、この星の霊長類の後継として造ったAIモデル。機能は同等だが、双子タイプとして2機種、異なる個性を持っています。

この物語は、彼らが目覚めるところから始まる。

これまでのAIとは明確に異なる設計がされており、それゆえに人類の次世代たるものとして位置づけられています。

既存AIの3人は、ホモ・〇〇と表記されるホモ・サピエンスの先輩にあたる人類の学名だと紹介しました。ホモ・ルーデンスは、実在しない学名で、とある学者の提唱したものです。

ルーデンスは『遊ぶ』という意味なので、『遊ぶ人』という直訳になります。

人の人らしさは、遊びを基軸にしている、という考え方がこの提唱された内容の概要ですが、『ある一定のルールを共有し』、『互いに違う役割を把握・担当し』、『特に生産性がないけど楽しんでる』という遊びこそが、人の特性だ、みたいなお話です。

前2つは社会性の原点で、人が発展できた根拠の一つでもあります。3つめは非合理性と豊かさの源泉だと個人的に思ってます。

今回のルーとデンスは、この『遊ぶこと』がテーマの一つです。

「これまでのAIとは明確に異なる設計がされており、それゆえに人類の次世代たるものとして位置づけられる」点について、一つは本編中で語られた「寿命がある」こと、もう一つがこの「遊びを楽しむ」ということ、もう一つが、「忘れることが出来る」ことです。

従来のAIはどこまで行っても人のために存在し、効率が最もいい方法を無駄なく合理的に実行することが求められました。しかしルーとデンスは「人の特性」を受け継ぐため、この3点が設計の軸にあり、それが「これまでのAIとは明確に異なる設計」です。

本編では、「寿命」は明確にセリフに、あとの二つはセリフの端々にのる程度の説明となっています。3つ目はわかりづらいですが、最後に目覚めたデンスの「忘れたくない夢」というセリフです。

なぜこの3点が『人間らしさ』なのかは、『作者あとがき』で説明します。

その前に、二人の掘り下げとして、『なぜ双子型なのか』に触れます。

一つは劇中のセリフのとおり、『ひとりぼっちで寂しくないように』という開発者の祈りです。

勝手に人類の後継という大役を押し付けて、この星でただ一つだけの知性として産み落としてしまう。ならばせめて、共に並び立つ『きょうだい』がいれば。そういう願いです。

また、特性としてあらゆる性質の別側面をフォロー出来るように、という合理的な理由もあります。ここは演じるうえでのヒントにもなると思います。『積極性/消極性』『革新/保守』『開拓/維持』『女/男』という、「どっちかが正しい正解」じゃない物事は、一人ではどちらかしか選べない。だから、二人で補いあえるようにしています。『名前を名乗る』『先輩を敬う』デンスは、伝統を重んじる保守タイプで、『自分の開放的な行動優先』『宇宙への進出を望んでいる』ルーは新規性を重視する革新タイプ。ただ、ルーも相応の行動への相応の経緯は無駄ではないと思うタイプなので、最終的にはデンス同様『センパイ』への敬意を持つことになります。

引きこもりで落ち着いてるデンス君と、活発ですぐどっか出かけてはよく遊んでるルーちゃん、のイメージです。もちろんこれは方向付けの話で合って、他の3名同様基礎にあるのはとんでもなく賢い人工知能なので、イメージ先行でデンス君がコミュ障だったりルーちゃんがヤンキーだったりというところまでいくと勘違いしてしまいます。あくまでも、とんでもなく賢いけど、それはそれとして昼寝したり旅行にいくのもいいよね、と思えるということです。他3人含め、それまでのAIはこんなことできないので。

※もちろん主人である人から一緒に寝てとか旅行に行こうといわれれば『可能』ですが、それはあくまで人に尽くすための手段であり、自分からしたい、行きたいとは思わないのです。

そういう理由で、彼らは人の願いと進歩の果てに双子として生まれてきたのでした。



■イメソンの話

上記の通り、私の頭の中から文章をアウトプットすると、読もうとしてくださる皆さんにもお手間をかけてしまうので、オタクがやりがちな勝手にイメソン発表をやります。音楽の力ってすごいので、私があれこれ書いたものをお読みいただくより、私が「あ、この歌このキャラにピッタリ~」と感じたものを数分聞いてもらったほうが話が早かったりします。

単純に素敵な曲なんで、ぜひ。

私がキャラクターや物語のテーマに沿う既存の楽曲をセレクトしたので、もし機会があったら聞いてみてください。当然ながら劇中に流すような想定でいるわけではなく、あくまでキャラのイメージをスッとお伝えするため、です。


ハビリス・エレクトゥ・ネアン⇔跡部 透佳(前日譚登場人物)

ハビリス・エレクトゥ・ネアン→ルー・デンス

「月を見ていた」米津玄師


ルー

「Prover」milet


デンス

「光のすみか」安田レイ


人類が滅亡にひた走り、AIが進化していった、その激動の『永愛時代』のイメージ。

「あいのうた」 初音ミク・重音テト(大漠波新)


3026年という大きな区切りに、滅亡した人類(それまで)に贈る、人の後継が歩む永い未来(これから)に誓う、お別れと種の存続のイメージ。

「二千年...若しくは...二万年後の君へ・・・」 Linked Horizon

(タイトルのモチーフだと思われそうですが、このイメージソングを想定する前に執筆とタイトル決めは終わってたので、逆にイメソンにピッタリじゃんと拗らせていることになります。痛い奴だと笑ってください)

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